弁護士の向原です。

今年も、株主総会(以下「総会」といいます。)の準備を考えなくてはならない時期が近づいてきます。
中小企業の場合、総会のための事務処理に十分な時間と手間をかけられないと思います。

総会のための事務処理の中でも特に面倒なのが、総会の招集手続です。様々な書類を添付しなくてはならないから大変面倒だと思います。
そこでこの記事では、それを簡略化する方法を紹介します。

そこで、

①貴社が「取締役設置会社」か「非設置会社」かを確認してください。
もし「非設置会社」ですと、原則として書面で通知する必要はなく、口頭・電話でもかまいません(法299条2項2号の反対解釈。なお定款に書面投票・電子投票を定めた場合は書面が必要です(同条項1号)。)。
また、非設置会社にあっては、会議の目的事項の記載・記録が不要です(299条4項、298条1項→同2項2号の反対解釈)。

次に、
②書面投票や電子投票を定めない限り、議決権行使ができる株主全員の同意があれば、招集手続を省略して株主総会を開催できます。株主数が少ない場合には、この方法が一番実践的でしょう。

株主総会の招集手続が必要なのに欠落している場合や、不適切な場合は、その株主総会で決議した事項に対し、後で、決議取消事由になったりしてしまいます。
これについては、次の記事で書きます。