運動会の組み体操、全面廃止へ 千葉・柏市教委が検討
朝日新聞デジタル 2月17日(水)19時4分配信

今年度は市立小中学校で、練習中にねんざや打撲などのけがが約40件あり、うち6件が骨折だった


ここまで危険が予見されているわけで(予見可能性)、かつ、組体操では安衛法の基準に照らしても明らかに危険なことをさせている(回避義務違反)ことは考える必要があるように思います。

そのうえで、けが人をこれだけ出し、重傷者を1年で6名も出しているわけで(結果発生)、刑事事件として立件されていないのが不思議でしようがない、というのが、私の考えです。

民事では、福岡でも、福岡高裁 平成6年12月22日判決(判例タイムズ879号236頁、判例時報1531号48頁)において、重篤な後遺障害事例についての国賠請求が認容されています。
全国的にはそのほかにも多数の裁判例があります。
上記福岡高裁の事例でいうと、結局、こういう「被害」に巻き込まれても、訴訟をせざるをえず、訴訟には4~5年という膨大な時間と労力がかかることになりますし、また、訴訟で贖えるのは「お金」のみであり、体は元に戻らないのです。
訴訟では、お互いに言い分を出しあうことになり、そのプロセスの中で、「なにを勝手な言い分を!」と傷つくことも多々あると思います。そういう意味では、精神的な疲弊も大きいといえます。

私は、学校には授業などでよくお邪魔しますし、いろいろな関わりがありますが、おしなべて学校の先生方は「コンプライアンス」に対しする意識は高いと感じます。
にもかかわらず、組体操だけは、
コンプライアンス的には、やめるべき話であり、一方で、リスクを上回るメリットなり社会的相当性があるのかというと疑問であって、なぜやめないのかな、というのが、リスク管理者としての視点から見て、大変不思議なのです。

刑事責任追求以外に、やめさせる方法がないのかな、と思います。