最近、芸能界も薬物に染まっていて、なんだか悲しいですね。
刑事弁護をやっていて一番多い事件のひとつが薬物ですが、その中で感じることがあります。
それは、薬物事犯への対処方法として
「治療」
の要素が欠けていることです。
法律は、裁判所は、処罰しかできません。
しかし、中毒患者は、処罰されてでも一時の快楽を求めるものです。
再発防止を念頭に置くと、処罰ではなく治療が必要なのです。
けれども、そのための予算がないそうです。
ノリピー事件とかお塩事件とか、ちょっと前であればタシーロとか、芸能界だけでも薬物絡みの事件はたくさんあって、みんなおもしろおかしく被疑者被告人を叩くんですが、これって一種の正義感なんでしょうか。
「薬物患者は危ないから一生刑務所に放り込んでおけ」という台詞さえ聞こえてきます。
それでは、「危ない」と考えている薬物患者の治療のために、税金を、予算を出すことはダメですか?
事件でも事故でも、日本人はとかく犯人捜しは好きですが、どうすれば再発防止できるか、そのための予算措置をどうするか、という話になると、盛り上がりません。
そういう話、あまり受けないのかなと感じます。
そうして、同じことが繰り返されて、それをみんなでおもしろがって取り上げる。
これからもこれが繰り返されるのかな、と思います。