民事信託という言葉を、しばしば耳にするようになったと思います。
西日本新聞でも、紹介されていました。
(2019/8/7 13:42西日本新聞より)
民事信託のいいところは、高齢者その他財産管理が困難となることが見込まれる人が、実際に困難になった際にも、財産管理の継続性を維持できるという点です。
他方で、
①契約内容が複雑であり、相続に比べ当事者に求められる能力のハードルが高いこと(後日、委託者の意思能力に関する争いが起きる余地がある)
②適切な受託者が存在すること
③契約の遂行が長期に渡るため、契約内容を理解している人※が常にちゃんといる必要があること
※こういう場合にはこうなる、ということがきちんと説明できる人、契約書に記載なき事態が生じた場合、信託法・民法の基本原則に立ち返った法解釈がきちんとできる人
というハードルの高さもあります。
特に私が強く意識するのは、上記③を意識した内容の組み立てです。
作っておいて、後でだれも内容がわからなくなりました、とか、あるいは、民事信託契約作成時に想定していなかった事態における法的な効果がわからない、ということは、あってはならないからです。
遺言書の作成だけで済む場合は、なるべく遺言書の作成で済ませ、場合によっては、遺言書の作成と民事信託の組み合わせという方法をとることも考えられると思います。
何でもかんでも民事信託でしなければならない、というものではなく、「相続対策」の新メニューとして、民事信託という方法が加わったものである、と思います。
これまで、様々なパターンの民事信託の組成に関わってきましたが、
お盆は、一族があつまる貴重な機会ですから、こういうお話も、あってもいいのかもしれませんね。
もし気になる方は、お気軽にご相談ください。